よくあるご質問 Q&A
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3.「下肢静脈瘤」の治療について
国によって違いますが、最も多く用いられているのは保存的治療で、次に硬化療法です。
手術方法では米国では80%以上が高周波やレーザーによる血管内治療になっています[※]
ヨーロッパではカテーテルによる硬化療法が盛んに行われていますが、全体ではやはり血管内治療の方が多いと思います。
 出典:MILLENNIUM RESEARCH 2013
→詳しくはこちら:
 「下肢静脈瘤の治療法」
 http://www.think-vein.jp/about4.html
最も多く用いられているのは保存的治療で、次に手術、硬化療法の順番です[※]
外科治療ではストリッピング手術が最も多く行われています。

しかし、2011年にレーザー治療が保険認可されてからは血管内治療が急速に普及しているので、10年以内には高周波やレーザーによる血管内治療が最も多くなると思います。
 岩田ら:下肢静脈瘤―本邦における静脈疾患に関するSurveyⅩⅡ―.静脈学:2013 : 24(4): 432-439
保存的治療にはリスクはほとんどありません。

硬化療法のリスクは、薬剤によるアレルギー、色素沈着、皮膚潰瘍、深部静脈血栓症などです。

外科治療(ストリッピング手術、血管内治療)のリスクは、薬剤によるアレルギー、深部静脈血栓症、しびれ(神経障害)、出血、リンパ瘻、傷の化膿などです。

治療にともなう合併症によっては、重篤な症状に至る場合もありますので、治療を行うかどうか、どの治療を選択するかは慎重に検討しなければいけません。
保存的治療のメリットは、簡単で体への負担がなく、他の治療のようなリスクがないことです。
デメリットは、あくまでも症状を軽くして進行を遅らせるだけで根本的な治療ではないことです。
また、下肢静脈瘤での弾性ストッキングの使用は健康保険が適用されません。

硬化療法のメリットは、注射を数カ所にするだけなので外来で簡単にできることです。
デメリットは、薬剤によるアレルギー、色素沈着、深部静脈血栓症などのリスクがあることと、ある程度進んだ下肢静脈瘤では再発が多く起こることです。

ストリッピング手術のメリットは、根本的な治療であり昔から一番多く行われているため安定した治療が行えることです。デメリットは、血管を引き抜くために全身麻酔や腰椎麻酔が必要であり一般的には入院が必要になることと、出血や傷の化膿、しびれ(神経障害)などのリスクが他の治療より大きいことです。

高周波やレーザーによる血管内治療のメリットは、局所麻酔でできるので日帰り手術が可能で傷が小さいことです。デメリットは、薬剤によるアレルギー、深部静脈血栓症、しびれ(神経障害)、出血、リンパ瘻(ろう)、傷の感染などのリスクがあることです。また、まだ治療が始まって10―15年ほどなので、10年以上の長期間の治療成績がわかっていません。
残念ながら下肢静脈瘤を治す薬はありません。
軽度の静脈還流障害(軽度の下肢静脈瘤も含む)であれば、薬局やドラッグストアにて西洋ハーブ医薬品(要指導医薬品)が販売されています。薬局で薬剤師の説明を受ける必要が有る薬です。足のむくみを改善して、むくみに伴う足のだるさ・重さ・疲れ・つっぱり感・痛みに効果があります。
副作用のない薬はありません。Q5で紹介した西洋ハーブ医薬品も副作用があり、
要指導医薬品といって薬局で薬剤師の説明を受ける必要がある薬ですので、
薬剤師の指示に従って服用するようにしましょう。
治療を行うのはあくまで人間なので100%失敗しないとは言い切れません。
しかしながら、血管内治療を行う医師は、専門の学会で決められた「下肢静脈瘤に対する血管内焼灼術の基準」による資格をもっています。さらに、専門施設での手術見学および講習を受けていますので、それほど心配する必要は無いでしょう。
治療を行う静脈瘤のタイプと治療後の期間によって治療成績は異なります。
伏在型静脈瘤に対する治療では高周波治療など血管内治療の成功率は5年で90—95%、
ストリッピング手術、硬化療法では70−80%になります。[※]

血管内治療の成績は従来の治療よりも良好といわれています。
 出典:van den Bos R, et al: Endovenous therapies of lower extremity varicosities:
     A meta-analysis. J Vasc Surg 49(1):230-239,2009
硬化療法の場合は、2-3日で通常の生活に戻れますが、治療によって固まった静脈が消えてきれいになるまでには1-2年かかります。

ストリッピング手術の場合は、通常3日程度の入院が必要で通常の生活に戻るには2週間から1ヶ月程度かかります。

高周波やレーザーによる血管内治療は、日帰りで、治療そのものは30分から1時間ぐらいで終了します。家事や事務仕事は当日から可能ですが、重労働や長時間の立ち仕事は2-3日後からになります。治療後の経過によりますが、2週間でほぼ通常の生活に戻ることができます。

施設によっては術後1泊~2泊の検査期間が必要な場合があります。
きちんと検査を行って適切な治療を行えば下肢静脈瘤は治ります。

しかし、治療の時点では正常であった静脈が、後日、新たに下肢静脈瘤になるのを防ぐことはできないので、10−15年経過すると再発する場合があります。

長時間の立ち仕事をしている方や比較的若い方は再発する可能性が高くなります。
硬化療法と手術、高周波やレーザーによる血管内治療は健康保険が適用されます。

レーザーの場合は、健康保険が適用されるのは国に認可されたレーザーを使用する場合だけです。
それ以外の未認可のレーザーを使用すると健康保険が適用されません。
高周波による手術は全て健康保険が適用されます。

同時に複数の静脈を治療する場合、硬化療法や静脈瘤の切除を同時に行う場合でも健康保険が適用されます。
保険診療で3割負担の場合、硬化療法で約5千円、ストリッピング手術で約3万3千円、
高周波やレーザーによる血管内治療で約4万5千円の自己負担が必要です。
1割負担の方は3分の1になります。

これらは日帰り手術の場合の金額で、入院した場合はさらに費用がかかります。
治療費は医療機関によって異なりますので、詳しくは各医療機関にお問い合わせください。
→詳しくはこちら:
 「静脈瘤のタイプ・患者さんの状態によって異なる治療法。」
 http://www.think-vein.jp/about4.html#about4_1
純粋に美容目的の場合は健康保険は適用されません。

しかし、見た目が気になるだけで自覚症状がない場合でも、治療を行うと症状が改善して実は症状があったことに気づく場合もあるので、専門医の判断を仰ぐ必要があります。
いろいろな医療機関がありますので一概にどこが多いとは言えません。

各医療機関のホームページに治療実績が掲載されているので、それらを参考にしてください。
注意しなければいけないのは、例えば「日帰り治療数」とある場合、下肢静脈瘤の日帰り治療の場合もありますが、下肢静脈瘤以外の病気の治療数も含まれている場合があります。

また、「治療」には「手術」以外にも硬化療法等が含まれますので、手術の実績を知りたい場合は、「下肢静脈瘤の「手術数」あるいは「日帰り手術数」を比べなければいけません。
→病院検索はこちら:
 http://www.think-vein.jp/search/index.html
高周波やレーザーによる血管内治療は局所麻酔で行うので基本的に入院は必要ありません。

しかし、日帰り手術の体制がない病院や患者さん本人のご希望によって1泊2日あるいは2泊3日ぐらいの短期間の入院で行う場合もあります。
高周波やレーザーによる血管内治療では麻酔が切れた後にものすごく強い痛みが発生することはありません。血管内治療で使うTLA(ティーエルエー)麻酔という特殊な局所麻酔は10時間以上効果が続きます。

そのため手術の当日は痛みはほとんどないか、夕方に鎮痛薬を飲めば治まるくらいの軽い痛みがある程度です。全身麻酔や腰椎麻酔によるストリッピング手術では、術後は硬膜外麻酔や注射の鎮痛剤を使うので、やはりそれほど強い痛みは感じないと思います。
問題ありません。

静脈を焼く前に静脈のまわりにTLA(ティーエルエー)麻酔という特殊な局所麻酔の液を注射します。そのため、静脈を焼いても周囲に熱が伝わらず、静脈だけが焼けるので問題はありません。
また、静脈を焼くとふさがってその静脈には血液が流れなくなりますが、深いところの静脈(深部静脈)に血液が流れるので心配はありません。
問題ありません。

高周波やレーザーによる血管内治療では静脈のまわりにTLA(ティーエルエー)麻酔という局所麻酔の液を注射してから治療を行います。静脈の中の温度は高周波治療の場合は120度、レーザー治療の場合は1000度以上になりますが、局所麻酔の液が熱から周囲の組織を守るので安全に治療することができます。
手術の痕は残ります。
ストリッピング手術の場合は、足のつけ根に10mm-30mm、膝の周囲に約10mm、高周波やレーザーによる血管内治療の場合は、膝の周囲に1mm-5mmの傷がつきます。
血管内治療は傷が小さいので、ほとんどの場合、1年ほど経つとよく見ないとわからない程度になります。
しかし、全くわからなくなるわけではなく、基本的には痕は残ります。
また、外から目立つ瘤は通常、外科的に切除するのでその痕も残ります。

現在は、スタブアバルジョン法という特殊な方法で1mm-3mmの傷で切除するので昔よりも傷は目立ちませんが、若干の痕は残ります。
→詳しくはこちら:
 「傷口が小さく、痕が残りにくい『スタブ・アバルジョン法』」
 http://www.think-vein.jp/about4.html#about4_6
血管内皮が熱や硬化剤によって破壊された後に、マクロファージ、好中球、好酸球が周囲から浸潤し、静脈の外膜から移動した繊維芽細胞がコラーゲンを分泌して瘢痕(はんこん)組織(治癒する過程の組織)を形成します。

この瘢痕組織は6ヶ月から1年ほどかけて周囲組織に徐々に吸収されますが、
完全に吸収されずに残る場合もあります。
高周波治療で治療できるのは伏在型(ふくざいがた)静脈瘤だけです。

それ以外の静脈瘤、例えば軽症の静脈瘤(クモの巣状、網目状、側枝型)は高周波治療の対象ではありません。
高周波やレーザーによる血管内治療は、今より新しい治療が出てくる予定はありません。

5−10年後にはさらに新しい治療が出てくる可能性はあります。
しかし、現在の治療は十分に低侵襲で、より安全になりましたので治療が必要な方は新しい治療を待つ必要はないと思います。